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2011年12月23日(金)
自然への畏怖の思い

自然は実に不思議です。
大自然の中で如何に生きてゆくか。
それは人々の永遠の課題ではないでしょうか。
私たちの身体もまた自然の一部です。
人の不思議も奥が深いものです。
ここでは、自然の不思議について考えたいと思います。

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2011年12月27日(火)
鉛筆の科学

皆さんが学校で使っている鉛筆をよーく見てください。
周りが木でできていて、真ん中に芯がありますね。
鉛筆を削ると、きれいな年輪が見えてきませんか?
転がらないように六角形になっているものが多いようです。
鉛筆の芯にはなんと電気も通るのです。
紙に書いてみると、滑らかに芯が模様を描きます。
実は、鉛筆にはたくさんの不思議があるんです。
鉛筆を見ながらいろいろな不思議を探してみましょう。

2011年12月28日(水)
ビリヤード物理学

ビリヤードをしたことがありますか?
プールバーなんてカッコいいところもあります。
まずは番号のついた球を三角形あるいはひし形に並べます。
キューで白球を突いて、並べた球に当てます。
パーン!という音と共に、並べた球が四方八方へと飛び出してゆきます。
ほぼすべての球が同時に動き出します。
白球が最初の一球に当たった瞬間に、その情報がすべての球に伝わるようです。
各球の重心が動く速さより、当たったことの情報の方が早く伝わるように見えます。
その情報は、最初にキューで白球に与えた運動方向にかかわらず全方向に伝わります。
物質と情報の乖離が面白いですね。
ビリヤード物理学では運動量も保存されているはずです。
エネルギーも保存されているはずです。
摩擦もあり、球の回転もあります。
とても高度で複雑な物理学。
ビリヤード物理学。
プールバーでスコッチのオンザロックでも楽しみながら、あなたも一ついかがでしょうか。

2011年12月29日(木)
剛体の弾性衝突

2つの球があるとします。
2つとも剛体です。
2つとも同じ半径の完全な球体です。
その2つの球体が弾性衝突するとします。
球体の半径をr、質量をmとします。
第1の球体は速度vで等速運動し、第2の球体は静止しています。
衝突は両者の重心(中心)を結ぶ線上で起こるとします。
すなわち、この思考実験は一次元の運動を扱います。

問題1 衝突後の2つの球体の速度を求めよ。

問題2 衝突前後の時間軸に対する各球体の位置をグラフに表せ。

問題3 衝突前後の時間軸に対する各球体の速度をグラフに表せ。

問題4 この衝突により2つの球体間に働く力の大きさを求めよ。

問題5 この衝突により2つの球体間に力が働く時間を求めよ。

問題6 この衝突は2つの球体の接触により起こる近接力と考えられる。
    止まっている第2の球体に接触して静止している第3の球体が、衝突線上にあるとする。
    この場合、速度vで移動してきた第1の球体が第2の球体に衝突するとどうなるか答えよ。

問題7 前問の場合、第1の球体と第3の球体は近接力で相互作用したと言えるか答えよ。

問題8 前問の場合、第1の球体と第3の球体の時間軸に対する位置をグラフに表せ。

問題9 前問の場合、第1の球体と第3の球体の時間軸に対する速度をグラフに表せ。

問題10 前問の場合、第1の球体から第3の球体に力の伝わる時間を求めよ。

問題11 互いに接触して静止している球体の数が第2の球体を含めてn‐1になった場合について考える。
     第1の球体が衝突した瞬間に第nの球体に力が伝わる時間を求めよ。

問題12 前問の場合、第1の球体と第nの球体の時間軸に対する位置をグラフに表せ。

問題13 前問の場合、第1の球体と第nの球体の時間軸に対する速度をグラフに表せ。

問題14 前問の場合、第1の球体と第nの球体の相互作用は近接作用といえるかどうか答えよ。

問題15 前問の場合、nを無限大にした場合について、その力の伝わる時間を求めよ。

問題16 前問の場合、無限大離れた球体に伝わる力は近接力か遠隔力かを結論せよ。


2011年12月31日(土)
完全弾性体の衝突実験

前回は剛体のビリヤードを考えました。
今日は球が柔らかい時を考えましょう。
半径r、質量mの2つの球形の完全弾性体があるとします。
弾性体は変形Δrに対して‐kΔrの反発力をもつと仮定します。
第1の球が速度vで等速直線運動しながら静止している第2の球に衝突します。
衝突は第1の球の運動する直線状でおこる、1次元の現象とします。
衝突の時刻を0とします。
この時、以下の問いに答えなさい。

問題1 上記の問題を、ガリレオの相対論を用いて重心原点座標で書き直せ。

問題2 衝突前に各球体の持つ運動エネルギーを計算せよ。

問題3 衝突後に各球体の持つ運動エネルギーを計算せよ。

問題4 Δrが最大になる瞬間の球体の運動速度を答えよ。

問題5 Δrが最大になる瞬間の弾性エネルギーを計算せよ。

問題6 Δrの最大値を計算せよ。

問題7 Δrを衝突後の時間tの関数とする。Δrの2階時間微分を計算せよ。

問題8 Δr(t)を答えよ。

問題9 衝突開始から2つの球体が離れ始めるまでの時間を計算せよ。

問題10 第2の球体に接触して静止する第3の球体があるとする。
     この場合に衝突開始から第3の球体が第2の球体から離れはじめるまでの時間を計算せよ。

問題11 第2の球体に接触して静止するn‐1個の球体があるとする。
     この場合に衝突開始から第nの球体が第n‐1の球体から離れはじめるまでの時間を計算せよ。

問題12 1キロメートル長の鋼材の一端を鉄製ハンマーでたたいた時、反対の端に力が伝わるまで1秒かかった。
     この時、鉄原子の半径をaとした場合のkの値を求めよ。

問題13 1秒間に30万キロメートルも力の伝わる弾性体があるとする。
     弾性体の構成原子の半径をbとしたばあいのkの値を求めよ。

問題14 一般に1秒間に力がcメートル伝わる弾性体の構成原子の半径をdとした場合のkの値を求めよ。

問題15 cを無限大にした場合のkの値を求めよ。

問題16 弾性体が変形Δrに対して‐k/(r-Δr)の反発力を持つ場合についても上記の問題に答えよ。

2012年1月2日(月)
鉄棒と波

ここに一本の長さa、半径rの円柱状の細長い鉄の棒があります。
この鉄の棒の一端を水面につけ、他端をハンマーでたたくとします。
鉄棒の中をハンマーの力が速度vで伝わるとします。
また、水面を波が広がる速度をuとします。
この時、以下の問いに答えよ。

問題1 時刻0にハンマーをたたくとき、10秒後に水面に広がる波紋を図示せよ。

問題2 時刻0にハンマーをたたくとき、時刻tにおける波紋を図示せよ。

問題3 時刻0からハンマーを1Hzでたたく時、時刻tにおける波紋を図示せよ。

問題4 時刻0からハンマーをnHzでたたく時、時刻tにおける波紋を図示せよ。

問題5 この鉄棒に対して、もう1本の鉄棒を距離bだけ離して平行に置き、一端を水面につける。
    時刻0に両方の鉄棒の端を同時にハンマーでたたく時、10秒後に水面に描かれる波紋を図示せよ。

問題6 上記において、t秒後の波紋を図示せよ。

問題7 上記において、ハンマーを1Hzでたたく時、t秒後の波紋を図示せよ。

問題8 上記において、ハンマーをnHzでたたく時、t秒後の波紋を図示せよ。

問題9 ハンマーの質量をm、打撃のスピードをbとする。
    この時、ハンマーの運動量と運動エネルギーを計算せよ。

問題10 ハンマーの打撃エネルギーは他端において全て波紋エネルギーに転換されると仮定する。
     この時、1つの波紋を完全な円と捉えて円周上のエネルギー線密度を時間tの関数として表せ。

問題11 2つの鉄棒を時刻0でたたき、t秒後に形成される波紋のエネルギー密度を示せ。

問題12 2つの波紋の交点において、エネルギーが生成したり消滅したりするように見える理由を述べよ。

問題13 この実験系において、エネルギー保存則が成り立つ条件を述べよ。

問題14 この水面のある一点pにおいて、上から垂直にレーザー光線が照射されているとする。
     この光線は水面で反射されて部屋の壁に当たっている。
     鉄棒の一端をnHzでたたく時、壁に当たった光の描く運動の周期を計算せよ。

2012年1月2日(月)
ビリヤードのトレッドミル

剛体の球が10個接触して一列に並んでいます。
そこに、速度vで1つの球が等速直線運動で衝突します。
各球の半径をr、質量をmとします。
この時、次の問いに答えよ。

問題1 衝突前の10個の並んだ球全体の長さを計算せよ。

問題2 衝突直後の11個の並んだ球全体の長さを計算せよ。

問題3 衝突後に1つの球が飛び出した後の並んだ球の数とその全長を計算せよ。

問題4 衝突前の10個の球の中心の位置を0とする。
    この時、衝突後の10個の球の中心の位置を計算せよ。

問題5 1秒間隔で次々に新しい球体が同じ方向から衝突する。
    この時、衝突後の10個の球の中心の位置を時間tの関数として表せ。

問題6 上記の条件の時、10個の球体の平均移動速度を計算せよ。

問題7 n秒間隔で次々に新しい球体が同じ方向から衝突する。
    この時、衝突後の10個の球の中心の位置を時間tとnの関数として表せ。

問題8 上記の条件で、10個の球体の移動速度を計算せよ。

問題9 球体が弾性体である場合について考える。
    1つの球から隣の球へ力が伝わる時間をaとする。
    この時、10個の球の間に力が伝わる時間が10aであるとする。
    衝突後に並んだ球数が11個である時間を計算せよ。

問題10 上記の場合、1秒間隔で次々に新しい球の衝突が起こる場合、並んでいる球数が11を超える条件を記せ。

問題11 上記の場合、t秒後に並んでいる球数をtの関数として示せ。

問題12 最初の10個の球列の中心を0とした場合、上記の条件でt秒後の球列の中心の位置と球列の長さを計算せよ。

問題13 n秒間隔で次々に衝突する時、前問同様に球列中心の移動速度と球列の長さを計算せよ。

2012年1月4日(水)
流れる川の如く

春日部市には古利根川が流れています。
その流れは、あるときは早く、ある時はゆっくりと。
雨が降ればなみなみと、少ないときは細々と。
山に降った雨の一粒一粒があつまり小川となります。
小川が集まり大河となります。
水車の回転速度は雨量と高低差と川幅で決まります。

河を水分子の二次元ビリヤードと考えると面白いかも。
球を帯電させると、水流ならぬ電流です。
電流で回る水車は光を発しているかもしれません。
電流の流れる速度を計算してみませんか?

2012年1月4日(水)
筒の中にテニスボールを入れて振ってみよう!

スポーツって素晴らしいですね。
学生の頃はよく友達とテニスをしました。
テニスのボールってふさふさして気持ちいい。
缶の中に入ってて、開けるときのプシュって言う音が好きです。
このテニスボールが筒の中に10個立てに並んで入っているとします。
細長い筒の中で、両端がちょうどぴったり量端のふたについています。
1つ1つのボールはきちっと接していて、互いにやや押し合っています。
このとき、筒を振ってみるとどうなるでしょうか。
振る方向は、筒の長軸と同じ方向です。
シャカシャカと振ってみてください。
ボールはほとんど動きませんが、押し合いへし合い伸縮していることでしょう。
その時、振る手の振動数が筒の中のボールバネの振動数と同調するとどうなるでしょう。
振動数が10個のボールの振動数の倍になったらどうでしょう。
振動数が10個のボールの振動数の半分になったらどうでしょう。
振動数が10個のボールの振動数の3倍になったらどうでしょう。
振動数が10個のボールの3分の1になったらどうでしょうか。

ボールが帯電している場合、アンテナの中の帯電粒子の振動と電波の周波数の関係は?
電波の振動数はアンテナの長さと相関があるでしょうか?
アンテナの中の帯電粒子自身の移動速度を計算してみましょう。
アンテナの中の帯電粒子の振動の伝達速度を計算してみましょう。
帯電粒子の移動速度と振動の伝達速度の関係を考えてみましょう。
振動数が半分、3分の1、4分の1、・・・・、n分の1の電波の影響を考えてみましょう。

ブランコを漕いでいる子供の背中を押してあげるとします。
毎回背中を押す場合。
2回に1回、背中を押してあげる場合。
3回に1回、背中を押してあげる場合。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
n回に1回、背中を押してあげる場合。

いずれの場合にも、毎回押す力が同じとすると、どう違うでしょうか。
2回に1回押してあげるときに、倍の強さで押してあげるとどうでしょうか?
n回に1回押してあげるときに、n倍の強さで押してあげるとどうなるでしょうか?

いろいろな類題を、スコッチウイスキーを楽しみながら考えるのも乙なものです。

2012年1月6日(金)
電流の可視化

川の流れのような電流が見えたら素晴らしいと思いませんか?
そんな方法があるんです。
電流の可視化技術。
一番簡単なのは、電気泳動という方法です。
塩溶液の中に寒天を置きます。
寒天の端の方に小さな穴を空けておき、そこに荷電物質を注ぎます。
よく用いるのは、青い色をした酸性染料です。
寒天を挟むようにして陽極と陰極を置きます。
すると、酸性染料は陽極に向かってゆっくり動くのが見えます。
どのくらいの速さかって?
是非、調べてみてください。
まるでビリヤードの球のように見事に動きます。
塩溶液を薄めて抵抗を上げると動きはどうなるでしょうか?
塩を足して溶液の抵抗を下げると動きはどうなるでしょうか?
電圧を上げるとどうなるでしょうか?
陰極と陽極の間なら、どこでも同じ速さでしょうか?
陰極や陽極の近くだけで動くのでしょうか?
電流の流れが見えるって、本当にすごいことですね。

2012年1月8日(日)
鉛筆と電気

鉛筆の芯に電気が通るって知ってる?
炭素だけでできている芯。
黒光りしています。

金属じゃないのに電気が通るんです。
不思議ですね。
ちょっと化学式で書いてみましょう。
C-C=C-C=C-C=C-C=C-C=C-C
こんな感じになっています。
Cが炭素原子の記号です。
−が電子対を示しています。
2つの炭素の電子が結びついるんです。
この結合を共有結合と呼んでいます。
2つの炭素がそれぞれの電子を共有して結合しているからです。
=は共有結合が2つ合わさっていることを示します。
4つの電子でできていることになります。
2重結合と呼んでいます。
もう一度書いてみます。
C-C=C-C=C-C=C-C=C-C=C-C
左側から電子がやってくるとどうなるでしょう。
C=C=C-C=C-C=C-C=C-C=C-C
一番左だけ2重結合がだぶってしまっています。
すると、次の瞬間には
C=C-C=C=C-C=C-C=C-C=C-C
電子対が右に1つ移動して、そのまた次の瞬間には
C=C-C=C-C=C=C-C=C-C=C-C
C=C-C=C-C=C-C=C=C-C=C-C
C=C-C=C-C=C-C=C-C=C=C-C
C=C-C=C-C=C-C=C-C=C-C=C
2重結合が次々に左から右へ移動して行きます。
電子の移動、つまり電気が流れたのです。
まるで電子の玉突きです。
炭素原子はほとんど動かず、結合様式が波のように伝わります。
かなり速そう。
光速に近いようです。

鉛筆の真っ黒な芯の中に隠れている電気の秘密。
すごいことですね。

2012年1月9日(月)
水と電気

水には電気が流れるといいます。
どうやって流れるのでしょうか?
鉛筆の芯と似ているのでしょうか?
水の化学式はH-O-Hと書きます。
実際には120度程度に開いたくの字です。
今は便宜的にこれを
H-O
    H
と書くことにします。
すると、水はたくさんの水分子でできていますから

H-O H-O H-O H-O H-O H-O H-O
    H      H       H      H       H      H       H

などと書くことができます。
水素と酸素の結合は弱くて、時々入れ替わります。
すると、左から電子がやってくると

-H-O H-O H-O H-O H-O H-O H-O
     H      H       H      H       H      H       H


一番左の水素の結合手が2本にだぶついてしまいます。
このだぶつきを解消するために、電子が右へ移動して行きます。

-H OH-O H-O H-O H-O H-O H-O
       H       H       H      H       H      H       H


同様のことが、1つづつ右の分子へ伝わり、

-H O-H OH-O H-O H-O H-O H-O
   H       H       H      H       H      H       H


-H O-H O-H OH-O H-O H-O H-O
   H       H       H      H       H      H       H


-H O-H O-H O-H OH-O H-O H-O
   H       H       H      H       H      H       H


-H O-H O-H O-H O‐H OH-O H-O
   H       H       H      H       H      H       H


-H O-H O-H O-H O‐H O‐H OH-O
   H       H       H      H       H      H       H


-H O-H O-H O-H O‐H O‐H O‐H O
   H       H       H      H       H      H       H


こうして、水の中でも鉛筆の芯の中でも、同じように電気が流れます。
でも、水分子は電流が通ると逆向きのくの字になっています。
あっという間に電気が通ると、水分子の水酸基が1水素原子分だけちょこっと右に移動します。
同時に、水分子の水素原子は1原子分だけちょこっと左へ移動します。

電撃の速さと分子の移動ののんびりさ。

黒鉛の炭素原子とは違って、水分子は1つ1つが離れています。
きれいに一列に並んでいれば電気が流れやすそうです。
でも、バラバラになると通りにくそうですね。
一列に並んでいた分子が乱れるとなかなか通りません。
そして、水素と酸素の結合は黒鉛炭素の2重結合よりしっかりしています。
水素と酸素はなかなか手を離しそうにありません。
つまり、水は電気を通すけれど、黒鉛に比べてかなり通りにくいのです。

実際、超純水はほとんど電気を通さないことが知られています。
あれっ?水は電気をよく通すんじゃないの?

その秘密は、皆さんで考えてみてくださいね!

2012年1月11日(水)
お塩の電気分解

ご家庭のテーブルに乗っている食卓塩を見てみましょう。
白くて小さな正方形の粒々がいっぱい。
お塩は2つの元素からできています。
1つは金属のナトリウム。
石油の中で保存します。
ナイフで切れるほどの柔らかい金属光沢のかたまりです。
水に入れると燃えるように溶けます。
水素が出てきて熱で燃えるからです。
化学式は
2Na + 2H20 = 2NaOH + H2
です。
もう1つは塩素。
水道水に溶けている、消毒作用のある気体です。
お塩は塩素とナトリウムの化合物、塩化ナトリウム。
化学式はNaClです。

食卓塩を水に溶かして電気を流してみます。
電気はとてもよく流れますね。
陽極から泡が出て来ます。
これは何でしょうか?
陰極からも泡が出てきます。
これは何でしょうか?
陰極の周りはフェノールフタレインで赤くなります。
つまりアルカリ性になっています。
どうしてでしょう?
陽極の周りはどうでしょうか?

水の中を電気が流れます。
水の中で塩素とナトリウムはイオンとなっています。
イオン結合は大変早くつなぎ変わることが知られています。

Na-Cl Na-Cl Na-Cl Na-Cl Na-Cl

上記の化学式は一見止まっているように書いてありますが、実は常に離れてはくっついてを繰り返しています。
イオン結合は不安定で、すなわち反応性が高いのです。
そこに、左から電子がくると

-Na Cl-Na Cl-Na Cl-Na Cl-Na Cl-

あっという間につなぎ変わります。
電撃が左から右へ駆け抜けると、ナトリウムが左へ、塩素が右へ1つだけ移動します。

お塩と水の織り成す卓上のミラクル。

食卓塩を一振りするたびごとに、おいしい魔法が繰り広げられているのです。

2012年1月11日(水)
電気とは化学結合の変化

今まで見てきたことをまとめてみましょう。
化学反応では、電流が流れるときには必ず化学結合の変化の波が伝わります。
個体の黒鉛の場合でも、液体の電気分解の場合でも同じです。
つまり、電気とは化学結合の変化で、電流はその波なのです。
物理では電子という言葉を使いますが、化学では原子間結合と考えてよいでしょう。
原子と原子が結合したり解離するのが電気です。
電流とは原子間の結合状態の変化の伝達のことなのです。
以上、電気の化学的な解釈をエジンバラ公フィリップ殿下にお捧げいたします。

2012年1月20日(金)
青空蛍光灯

太陽では核反応が起きていると言われています。
放射されるのは、α、β、γ線です。
β線は正または負の電気、γ線は光です。
宇宙空間は超低気圧なので、電気は稲妻にならずに均一に広がります。
電気の放射が地球大気にあたると、蛍光灯のように励起光を出します。
目には見えないγ線も大気に当たると蛍光灯のように励起光を出します。
大気が発光しているのです。

これが、空一面が光っている理由です。
大空蛍光灯。
大変美しい青空蛍光灯です。
太陽系の織り成す光と電気のミラクル。

もちろん、太陽自身も熱輻射により可視光を発しています。
太陽自身の発する可視光で太陽が見えているのです。

ところで、電気は磁場で曲がります。
ということは、北極や南極では不思議な模様が見られるはず。
そう、オーロラの秘密です。

では、α線は?
さあ、みなさまで考えてみてください。
宇宙って、本当に不思議ですね!

2012年3月3日(土)
自然科学は完了しました。

先日の朝、目が覚めると、自然科学の考察が完了したことに気がつきました。
物質の根源から生命の不思議、地球から太陽系、銀河系をへて全宇宙の深淵まで。
一本の糸で貫かれた美しい大自然の真理。
現在過去未来の全ての時空において、どこで何が起きているかを逐一すべて把握できたという意味ではありません。
一人の脳が全ての情報を把握するのは無理です。

それらを貫く一本の糸が見えてきた気がします。
このホームページでは自然科学のバイブルを作りたいと思っていました。
しかし、すでにその目的は完了していたのです。
これからは、暖かく社会を見守って行きたいと思います。
社会科学を哲学してまいりたいと思います。

2013年5月18日(土)
科学の未解決問題について

2008年の秋のことです。
私の運営する”藍澤科学研究館”で科学の未解決問題を提示しました。
その後、5年が経過しました。
世界中の科学者たちが凌ぎを削っているようです。
世界一流の科学紙にも次々に論文が投稿されています。
世界中の大学のホームページもにぎやかです。
NASAを初めとする世界中の研究機関も日進月歩です。

未解決問題の中で比較的進展の見られるのは脳科学です。
私も東京大学・応用生命科学専攻で脳科学の教育をしています。
脳科学の中でも”記憶のメカニズム”が次第に明らかになってきました。
オバマ大統領も神経ネットワークの解明を公約にしたようです。
21世紀初頭にはアルツハイマー研究は暗礁に乗り上げていました。
遺伝子スパイ事件もその欲求不満の副作用の1つでした。
あれから10年たって、少しずつ進み始めたようです。

まだまだ、自然科学には多くの未解決問題が残っています。
私自身は既に自然哲学の探究を終了しました。
今は教育と啓蒙に力を入れています。

若い人々に未解決問題への果敢なチャレンジを期待したいと思います。
皆様と共に世界の科学の発展を暖かく見守って行きたいと思います。

2013年6月30日(日)
大学の教科書のチェック

高校までは文部科学省検定教科書が無償配布されています。
教育内容は厳格に決められているのです。
特に義務教育は国家事業ですから当然です。
国の認めた間違いのない教科書。
時々歴史教科書問題などで近隣諸国に影響を与えます。
教科書に国際化の波が押し寄せることもあるのです。
教育は国の未来の要ですから、各国も必死です。

大学に入ると教員の翻訳や執筆した教科書を使います。
授業担当の大学教員が指定するのです。
高度に専門化し、時代と共に変わります。
進歩著しい分野もあれば、いまだに混沌とした分野もあります。
また、歴史が古く、ほとんど完成された分野もあります。

大学教員としては教えている教科書の質が気になります。
時間があると大学で使っている教科書を読んでいます。
数学から物理化学、生物医学薬学は理系の基本です。
さらにシェークスピアや歴史、地理、音楽芸術、哲学、政治経済。
調べたいことがあると東大総合図書館や農学部図書館へ。
独立大学法人東京大学をモデルケースとした大学教育の検証。

始めてから4年余りがたちます。
最近は教養の数学の教科書・参考書を読んでいます。
知的に楽しくて仕方がありません。
深淵な内容を二十歳前後の学生にわかりやすく教えています。
計算技術も大切ですが考え方を学ぶことが最も大切です。

日本の大学教育は大変充実しているようです。

2015年4月19日(日)
宇宙の始まりから人間の歴史まで

自然科学の研究を終えて数年がたちました。
今はのんびりと本を書いています。
宇宙の始まりから人間社会の歴史まで。
出来上がった体系を折に触れて話すのは楽しいことです。
昔話を聞かせる要領です。
それでどうしたという代物ではなく、若い世代の糧になればいい。
教養として身につけてもらえたらそれでいい。
そんな気持ちで書いています。
世の中、なかなか捨てたものではありません。
この世はとても美しい姿をしています。
そこに気がつけば、大抵のことは気になりません。
きれいごとを言っていると思われる方がいたら、是非私の本を一度手に取って読んでください。
すっかり宣伝になってしまいましたが、読んでもらおうと思って書いています。
一冊7.77ドルというメッセージ価格で販売していますのでお気軽にどうぞ。

2015年5月16日(土)
慈しむ心、育む心

 私たち自然哲学者はしばしば自然への畏れを感じることがあります。大自然の摂理は侵すことができず、どのような理由や都合があろうとも容赦してくれません。その威力は凄まじく、私たち人間を創造したのも大自然の摂理です。そのようなことばかり考えておりますとなんとも殺伐として途方に暮れる気持ちになってしまう学者も少なくありません。特に、迷っている学者、困っている学者、そして道をあやまった学者が、たとえば自分が見つけたと思った真理を信じると全ての原子が即座に消滅してしまうことが証明されてしまうような場合に、見るもの聞くもの全てが恐ろしく思われることもあるのです。自分を信じると世の中がたちまち消滅し、世の中が安穏としていると自分が信じられなくなってしまうのです。
 技術の発達は現代科学の勝利に違いありません。しかし、そのような技術を開発した学者たちが迷って不安におののいた時には、いったい何が起きるでしょうか。学者の自己否定ならまだましです。世の中の全てが間違っているように教えだし、社会不安を煽るばかりでなく反社会的行為に及んでしまったり、それが軍隊ともなると大戦が始まって世界の終末を引き起こすことすらあるかもしれません。
 自然哲学の道を歩む者は始めに生命を慈しむ心を持つことが大切です。私たちがこうして生まれて来たのは仏の慈悲に包まれてのことですから、その命を全うする間に全てを否定してしまうことは人の道にはずれています。私たちがこうして生まれ育って来たことに対する感謝と有り難さを噛み締め、その上に自然の摂理を探求する心構えを持つことが肝要です。自然は厳しく容赦なく、間違えた者には間違えずに天罰が下ります。深く研究すればするほどその威力は凄まじく、真理は深くなって行きます。道に迷うこともしばしば起こり、進めば進むほど次の一手が見えにくくなります。間違えることが当然のように感じられ、五里霧中となって身動きができなくなる学者も少なくありません。そんな時に不安や不信が蔓延してくると世の中が大きく乱れることがあります。
 そんな時には仏の慈悲、愛の心、感謝の心をしっかり育むことが大切です。また、求道中も人々に説法してよく導き、愛の教え、慈悲の教えを繰り返し確認する必要があります。寺院の奥深くで宇宙の摂理を探求しながらも民衆や檀家に慈悲の教えを説き説法を続けることが肝要です。これは第一に人々の安心のためであり、第二に修行者の心のチェックです。説法にて人々に慈悲の心を思い起こすことができなくなった学者は修行を止める覚悟も必要です。寺院の奥で哲学を究め、寺院の門前で仏の慈悲を説くのです。
 自然は厳しく、嘘を許しません。しかし、私たちは間違いの多い人間です。頭脳も体力も限界があります。しばしば学者は袋小路に落ち込みわからなくなり、悩み、狂います。それは問題が難しくなって来たからです。難しすぎる問題に手を出してしまったのではないのかと常に自分を調べることが肝要です。そのためにも、求道中もたゆまぬお勤めと説法を続けるのがよいのです。心が乱れれば慈悲の教えが大衆に伝わりません。自暴自棄になり混乱し、信じられなくなった大衆が離れてしまうとき、難しすぎる問題に手を出してしまったことがわかるのです。
 問題が難しすぎた時には一歩戻れば答えが出せるでしょう。三途の川をわたれない時はすぐに引き返す覚悟が肝要です。そして、難しくなればわからなくなると言う当たり前のことを忘れないようにします。わからなくなっても世の中が終わるわけではありません。わからなくなったのは自分であって、世の中は昨日と同じです。今日も仏の慈悲は遍く降り注ぎ、人々は生かされています。たとえば、原子力の凄まじい威力を見て道を誤りそうになっても、それが研究者だけの知っている恐ろしい秘密であっても、そういう時こそ毎日のお勤めと民衆への説法を続けられるかどうかを常に自己チェックしなければなりません。
 太陽の秘密、銀河の秘密、原子の秘密、電気の秘密、遺伝の秘密に近づく時、自然哲学者は慈悲の心、育む心を忘れないよう日々の説法とお勤めに励んでもらいたいと思います。大学の先生なら学生に接して指導しても良いでしょう。寺院の僧侶なら檀家に説法を聞かせても良いでしょう。説法は檀家のためだけではありません。それを説く菩薩にとっても重要な修行です。菩薩行は如来への道です。

2016年1月7日(木)
自然科学のバージョンについて

コンピュータにOSがあるように、自然科学にも基本原理があります。
子供たちは学校でこの基本原理を勉強します。
江戸時代は寺子屋で読み書きそろばんを習いました。
ご維新後は学校で国数理社を学びました。
戦後は英語も学ぶようになりました。

学校で習ったことを基本にして社会に出ていろいろ覚えてゆくのです。
社会人がソフトをインストールすると新しいことができるようになります。
各ソフトは時々バージョンアップして最新版を使うようにしています。

ソフトに比べるとOSはあまり更新しませんが、まれにバージョンアップします。
それと同様に科学の基本原理も時々更新することがあるのです。
例えばゼロの発見が挙げられます。
万有引力の発見もありました。

基本原理のバージョンアップは多くの分野に影響をもたらします。
作動環境が変わるので、すべてのソフトが少しずつ変わるのです。
それまでの知識やデータ、ソフトはそのまま使えます。
しかし、中にはそのままでは使えないソフトもあるでしょう。
その場合にはソフトの開発者がOSに合わせてバージョンアップするでしょう。

自然科学はOSもソフトも順調に発展しているようです。

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